ただし、鉄壁の守りを固めることには代償も伴う。一律に非通知を拒絶することで生じる「思わぬ落とし穴」について、私たちは冷静に認識しておかねばならない。最も深刻なトラブルとなるのが、公的機関や医療機関からの緊急連絡が届かなくなるケースだ。
警察署や大規模病院の代表回線、あるいは自治体の防災関連部署では、内線からの直通発信時にセキュリティ保護や回線運用の都合上、あえて発信元を非通知、あるいは代表番号に集約できない設定にしている現場が依然として多い。家族の事故や急病の連絡、あるいは災害時の安否確認コールが、設定したブロック機能によって無言のまま遮断されてしまう事態は決して絵空事ではない。
さらに、宅配便の再配達ドライバーが個人の業務用端末から連絡を入れてくる際、番号非通知で発信されるケースも散見される。すべての非通知着信を悪質な攻撃者と見なす極端な遮断は、時に自分自身の生命線や生活の利便性を断ち切る両刃の剣へと変貌するのだ。