長野県上水内郡信濃町、国道沿いの鬱蒼とした森林に位置するホテルセリーヌは、元々は昭和後期のリゾートブーム期に開業したモーテル形式の宿泊施設でした。スキー客やドライブ客をターゲットに見込んだモダンな意匠のラブホテルとして稼働していましたが、バブル崩壊後の観光需要の急激な減退や交通網の変化に伴い、1990年代後半から2000年代初頭にかけて閉業へと追い込まれました。
閉業後に適切な管理体制が敷かれなかった結果、建物は瞬く間に荒廃。窓ガラスの損壊や内部の什器荒らしが横行し、いつしか長野県屈指の有名心霊スポットとして全国のオカルトファンや配信者の標的となっていきました。管理看板の設置やバリケードの強化が幾度となく行われたものの、ネット上の拡散に比例して不法侵入が後を絶たない状態が続きました。
2026年における現地の様子を確認すると、経年劣化によるコンクリートの爆裂現象や雨漏りによる床面の腐食が限界値に達しています。外壁の一部は崩落の兆候を見せており、もはや単なる「不気味な廃墟」の域を超え、物理的な倒壊危険物件として地域社会の大きな懸念事項となっています。