松本城の南側、女鳥羽川(めとばがわ)沿いに伸びる「縄手(なわて)通り」は、かつて清流に生息していたカジカガエルにあやかり「カエルの街」として親しまれる歩行者天国です。長屋風の店舗が立ち並ぶこの通りは、まさに縄手通り食べ歩きの聖地と呼ぶにふさわしい活気に満ちています。
通りのシンボル的存在となっているのが、香ばしい匂いを漂わせる老舗のたい焼き店です。一丁焼きと呼ばれる昔ながらの重厚な鋳型で、職人が一匹ずつ丁寧に焼き上げるたい焼きは、薄皮の極限までカリッとクリスピーに仕上げられています。中には北海道産小豆を贅沢に使った上品な甘さの粒あんが頭から尻尾の先までぎっしり詰まっており、一口かじるごとに確かな職人技を実感できます。
さらに通りを進むと、手焼きせんべいの専門店や、地元産の味噌ダレを香ばしく焦がした焼き団子など、どこか懐かしく温かいテイクアウトグルメが次々と旅人を誘惑します。川のせせらぎを聞きながら木製ベンチに腰掛け、情緒あふれる風景とともに味わう時間は格別です。