ファンの間で最も活発に議論される謎の一つが、釜爺が大切に保管していた「40年前の電車の切符」の正体です。
ハクを救うため銭婆の元へ向かう千尋に対し、釜爺は「昔使った残りじゃ」「40年前のじゃからな、まあ使えんこともなかろう」と語り、海原電鉄の片道切符を手渡します。この描写から、以下の重要な裏設定や経歴が浮かび上がってきます。
- かつて湯屋の外を行き来していた過去:湯婆婆の支配下で油屋に縛り付けられているように見える釜爺ですが、少なくとも40年前までは電車に乗って外の世界へ移動できる身分、あるいは自由を持っていたことが伺えます。
- 年齢と在籍期間:40年前に切符を購入して成人として行動していた計算になると、釜爺の年齢は少なくとも70〜80歳以上、妖怪や精霊としての時間軸を考慮すれば数百年を生きている可能性すらあります。
- 都市伝説の検証(釜爺は元人間だったのか?):「釜爺もかつては人間であり、油屋で働くうちに名前を奪われ、姿が変異したのではないか」という都市伝説が根強く存在します。しかし、宮崎駿監督の言及や公式ガイドブックの記述を照合すると、釜爺は油屋の成立初期から関わる土着の精霊・職人神としての性格が強く、「人間が魔女の呪いで変貌した」という説は公式な確定設定ではありません。
使い残した切符を後生大事に引き出しの奥にしまっていたという事実は、彼にもかつて「旅立つ理由」や「逢いたい誰か」が存在した青春の記憶を物語っており、物語の詩情を一層際立たせています。