原作の終盤、無限城決戦において多くの読者が疑問を抱いたのが「上弦の伍の後任が存在しなかった理由」です。上弦の陸には獪岳が、上弦の肆には鳴女が抜擢されたにもかかわらず、なぜ伍の座だけが空席のまま決戦に突入したのでしょうか。
作中の描写や組織構造から分析すると、以下の3つの決定的要因が浮き彫りになります。
- 実力基準の厳格さと人材不足:下弦の鬼を「弱すぎる」として自ら解体した無惨にとって、形だけの補充は無意味でした。獪岳や鳴女のように明確な特異性や素質を持つ鬼が他に見当たらなかった事実が窺えます。
- 玉壺の担っていた特殊機能の代替不可能性:玉壺は戦闘員であると同時に、自作の壺を高値で売りさばいて無惨の活動資金を稼ぐ「資金源」としての役割も担っていました。単なる戦闘力だけでなく、そうした実利を兼ね備えた代役が存在しなかった点も挙げられます。
- 決戦までの猶予のなさ:刀鍛冶の里の戦いから無限城決戦までの期間は短く、無惨自身も産屋敷邸の特定と禰豆子の確保に全神経を集中させていたため、新たな上弦を育成・選定する余裕がありませんでした。
結果として、上弦の伍の欠員は無惨陣営の戦力層の薄さを露呈させ、最終局面における鬼殺隊の猛攻を許す一因となったのです。