ネット上の観光記事では「いつでも絶景が楽しめる夢のような温泉」として紹介されがちな常盤館ですが、現地を冷静に観察するといくつかの見落とされがちな盲点が存在します。満足度の高い旅を実現するために、旅行者が知っておくべき現実的な注意点を整理します。
最大の盲点は、標高1,050メートルの山腹に位置するがゆえの「天候依存度の高さ」です。晴天時には八ヶ岳連峰を望む奇跡的なパノラマが広がりますが、濃霧や激しい雨、台風などの悪天候に見舞われた場合、視界は一面の真っ白な霧(ガス)に覆われ、下界の景色は完全に遮断されてしまいます。さらに、落雷の危険や極端な強風が発生した場合には、安全確保のために登山電車の運行が一時見合わせとなる措置が取られることもあります。
ただし、そうした悪天候時でも落胆する必要はありません。本館の1階にも落ち着いた内湯と露天風呂を備えた大浴場が完備されており、こちらは登山電車に乗ることなく24時間いつでも安心して入浴を楽しむことが可能です。また、霧に包まれた雲の助も「本物の雲の中に浸かっているかのような幻想的な幽玄の美」として、温泉ファンの間では隠れた一興として評価されています。
もう一つの注意点は、「バリアフリーの限界」です。登山電車自体は段差が少なく、車椅子や足腰の弱い方でも利用しやすいよう設計されていますが、山頂駅を降りてから展望露天風呂の脱衣所や浴槽へ向かうアプローチにはウッドデッキの傾斜や数段の階段が存在します。完全なフルフラットのバリアフリー空間ではないため、介助が必要な高齢者と同伴する場合は、事前に宿のスタッフへ動線の詳細を確認しておくことが賢明です。