誰もが再稼働を諦めかけていた広大なリゾート地に転機が訪れたのは2015年のことでした。妙高市が実施した差し押さえ不動産の公売において、韓国の大手財閥系ホテルチェーンである「ホテルロッテ」のグループ企業(株式会社ホテルアンドリゾート上越)が、最低入札価格をわずかに上回る約18億円で落札したのです。
破格の落札額として世間を驚かせましたが、真の驚きはその後に投じられた資金規模にありました。11年もの歳月によって劣化したリフトやゴンドラの刷新、豪雪による建物の補修、内装の全面改修など、施設再生のために追加で数百億円規模の資金が惜しみなく注入されたのです。こうして2017年12月、「ロッテアライリゾート」として奇跡のグランドオープンを果たしました。
このアライリゾート再建の経緯において特筆すべきは、国内の一般ファミリー層向けスキー場への回帰ではなく、「世界水準のプレミアム・デスティネーション」への徹底した舵切りを行った点にあります。近隣の野沢温泉や白馬、ニセコが先鞭をつけていたインバウンド需要の爆発的な成長を見越し、富裕層をターゲットにした戦略を明確に打ち立てました。
自治体の観光公式情報やスノーメディア等では現在、伝統の名称を前面に押し出した「アライマウンテンリゾート(旧ロッテアライリゾート)」という表記も見られるようになり、地域に根差した名峰リゾートとしてのブランド価値をさらに高める動きが見られます。