城ヶ崎海岸の景観を特徴づけているのは、荒波に削られた垂直の岩壁と、幾何学的な岩肌の連なりです。この類まれな景観を理解するうえで外せないのが、城ヶ崎海岸の地質形成と溶岩海岸の経歴です。
伊豆半島ジオパーク推進協議会の地質調査資料によると、今から約4000年前、伊東市内に位置する単成火山である「大室山(おおむろやま)」が噴火しました。この噴火によって噴出した膨大な量の玄武岩質安山岩溶岩が、谷を埋め尽くしながら相模灘へと一気に流れ込みました。灼熱の溶岩流が冷たい海水と急激に接触したことで、溶岩の外側から急速に冷却・収縮が進み、規則的な割れ目である「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」が形成されたのです。
その後、数千年に及ぶ相模灘の荒波による浸食作用(海食作用)が加わり、硬い柱状節理を残しながら脆弱な部分が削り取られました。その結果、高さ数十メートルに及ぶ海食崖、海門(裂け目)、海食洞が連続する、全長約9キロメートルにおよぶ現在の溶岩海岸が完成しました。単なる風光明媚な海岸線ではなく、伊豆半島が本州に衝突したプレート運動と、大室山噴火の凄まじい大地のエネルギーを今に伝える第一級の自然遺産です。