夕暮れ時、オフィスビルの明かりが灯り始めると、新丸ビル7階のフロアは昼のビジネスムードから一転して親密で活気ある熱気に包まれます。エレベーターの扉が開いた瞬間に漂うスパイスや炭火の芳香、グラスの触れ合う音、そして心地よいDJミュージックが、訪れる者の感覚を心地よく解きほぐしていきます。
なぜこの場所が、目の肥えた大人たちを惹きつけてやまないのか。その最大の理由は、「上質なカオス感と自由度の高さ」にあります。従来の百貨店やオフィスビルの飲食フロアは、店舗ごとに壁で仕切られ、一度店に入ればその中で食事を完結させるのが通例でした。しかし丸の内ハウスは、フロア全体をひとつの巨大なラウンジに見立てる設計思想が貫かれています。
和食、蕎麦、ビストロ、スパニッシュ、クラフトビール、バーなど個性際立つ専門店が回廊状に連なり、フロア中央の客席だけでなく、風が通り抜ける屋外ウッドデッキへとシームレスに繋がっています。各店でクラフトカクテルやタパス、名物料理をテイクアウト仕様で購入し、東京駅舎のライトアップを目の前に乾杯する。この「横丁的な回遊性」と「丸の内ならではのモダンな洗練」が高度に調和している点こそ、他の商業エリアには真似できない唯一無二の求心力です。