いま日本のショッピング現場で起きている最大の地殻変動が、2026年最新税制改正の柱である出国時還付方式(リファンド方式)の導入です。
これまでの日本の免税制度は、世界的に見ても極めて珍しい「店頭免税方式」を採用していました。旅行者はレジでパスポートを提示するだけで、その場で消費税10%分が差し引かれた金額を支払えば済みました。旅行者にとってはキャッシュアウトが少なく便利であり、店舗側にとってもレジ通過時の購買単価を引き上げる強力な武器となっていました。
しかし、この親切すぎる仕組みこそが、世界各国の転売ヤーやプロの密輸組織にとって「最高の抜け道」となってしまったのです。店舗で消費税を払わずに手に入れた高級品を、出国せずに国内の転売業者へ即座に横流しすれば、消費税の10%分がそのまま丸儲けの利益になります。
政府が踏み切った新制度では、買い物のレジ時点では一旦すべての消費税(10%または8%)を含んだ全額を旅行者が支払います。その後、帰国のために空港へ向かい、空港税関の手続きにおいて「購入した商品が確実に本人の手荷物として出国するか」の電子的・物理的チェックを受け、税関の承認が下りて初めて、クレジットカードや電子マネー経由で消費税分が払い戻されます。免税の恩恵を受けるタイミングが「買い物の瞬間」から「日本を去る瞬間」へと完全にシフトしたのです。