お寺と神社の違いを一言で整理するなら、「信仰する宗教そのものがまったく異なる」という点に尽きます。日本で長く共存してきたため同じような施設に見えますが、その成り立ちと目的は別物です。
お寺は、インドから中国・朝鮮半島を経て日本へ伝来した「仏教」の修行および信仰の場です。本尊として祀られているのは、釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来といった「如来」や、観音菩薩、地蔵菩薩などの「菩薩」といった仏様です。仏教における目的は、仏の教えに従って修行を積み、悟りを開くことや極楽往生を願うことにあります。ここに従事しているのが、頭を丸めて仏道に励む僧侶(お坊さん)です。
一方、神社は日本固有の民族信仰である「神道(しんとう)」に基づいた祭祀の場です。祀られているのは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)をはじめとする日本神話の神々や、山・川・海・巨木といった自然界の森羅万象に宿る「八百万(やおよろず)の神」、さらには菅原道真公(天満宮)や徳川家康公(東照宮)のように歴史上の偉人を神格化した存在です。祭祀を取り仕切るのは、烏帽子や狩衣を身にまとう神主(宮司・神職)や巫女です。