顔の輪郭が大きく横に広がる主な原因は、耳の付け根周辺にある「耳下腺(じかせん)」と、顎の下に位置する「顎下腺(がっかせん)」の腫れにあります。摂食障害において耳下腺腫脹が発生する理由は、主に以下の3つの生体反応が重なるためです。
第1に、過食時の異常な唾液分泌要求です。短時間で大量の炭水化物やジャンクフードを詰め込むと、消化を助けるために唾液腺がフル稼働を強いられます。さらに嘔吐の直前には、強い酸性の胃酸から口腔粘膜や歯を保護しようと、アルカリ性の唾液が一気に分泌されます。この過剰な負荷が日常的に繰り返されることで、唾液腺の細胞自体が増殖・肥大化(代償性肥大)を起こします。
第2に、胃酸の逆流による直接的な炎症が挙げられます。嘔吐時に逆流した強力な胃酸が唾液の排出口(導管)を刺激し、開口部が炎症を起こして狭窄します。その結果、分泌された唾液がスムーズに口内へ排出されず、腺の内部に滞留してパンパンに膨れ上がってしまいます。
第3に、頻繁な嘔吐に伴う脱水症状と電解質バランスの崩れです。体内の水分やカリウムが急激に失われると、身体は水分を外へ逃がさないように組織内に溜め込もうとし、唾液腺周辺組織の強いむくみへと直結します。