粒子が壁をすり抜ける!トンネル効果の仕組みと身近な応用例を徹底解剖

粒子が壁をすり抜ける!トンネル効果の仕組みと身近な応用例を徹底解剖

粒子が壁をすり抜ける!トンネル効果の仕組みと身近な応用例を徹底解剖の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

トンネル効果は便利な技術をもたらす一方で、先端エレクトロニクス開発においては最大の障壁としても立ちはだかっています。

コンピューターの頭脳であるCPUやGPUは、トランジスタを細かく敷き詰める微細化競争を続けてきました。しかし、トランジスタのゲート絶縁膜が原子数個分(2ナノメートル以下)の薄さに達すると、スイッチを「OFF」にして回路を遮断しているつもりでも、電子が勝手に絶縁膜をすり抜けてしまう「リーク電流(漏れ電流)」が多発します。これが発熱の増大や無駄な電力消費を引き起こし、長らく半導体の微細化限界の主原因となってきました。

現在では、このトンネル効果による漏れを防ぐために新材料(High-k材)や3次元構造(GAA: Gate-All-Around)が導入されています。さらに一歩進んで、「漏れるならそれを積極的に制御して利用しよう」という発想の転換から、トンネル電界効果トランジスタ(TFET)や量子暗号通信など、トンネル効果を味方につけた超低消費電力・高セキュリティデバイスの開発が世界中で加速しています。

山崎 陸
著者

山崎 陸

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。