喉に何かが引っかかっていると感じると、無意識に「ンンッ」と強い咳払いをしてしまいがちです。しかし、どれだけ力を入れても痰が出てこない、あるいは一時的にすっきりしても数分後には再び張り付く感覚に戻ってしまう経験はないでしょうか。
喉の粘膜表面には「線毛(せんもう)」と呼ばれる微細な毛が生えており、ベルトコンベアのように異物を体外へ押し出す役割を担っています。空気が乾燥していたり、加齢や体調不良によって粘液の分泌バランスが崩れると、線毛の運動機能が低下。その結果、粘度の高くなった分泌物が喉頭付近に停滞し、強い張り付き感を生み出します。
さらに厄介なのは、強い咳払いを繰り返すことで喉の粘膜が炎症を起こし、防御反応として余計に粘液が分泌される悪循環に陥る点です。「痰を出そうとする行為そのものが、痰の張り付き感を悪化させている」ケースは珍しくありません。