ネット上のレシピ情報やSNSの投稿には、塩たたきに関して誤った認識が散見されます。代表的な誤解を検証し、正しい知識を整理しておきましょう。
誤解1:「塩たたきにはどんな塩を使っても同じ」という勘違い
精製塩(サラサラとした食卓塩)を使うと、塩化ナトリウム純度が高すぎるため、鰹の身に塩辛さだけが突き刺さり大失敗の原因となります。塩たたきに必須なのは、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル分を豊富に含んだ「非加熱の天日塩」や「大粒の粗塩」です。結晶がゆっくり溶けることで、舌にまろやかな塩気と甘みをもたらします。
誤解2:「たたき」とは身を細かく刻むことである
アジのたたきのように包丁で細かく叩く調理法と混同されがちですが、鰹のたたきにおける「たたく」とは、塩やタレ、薬味を振った後に手や包丁の腹で軽く叩いて味を浸透させる動作を指します。強く叩きすぎると身割れしてドリップが流出するため、優しく押さえる程度が本場の所作です。
誤解3:「氷水で急冷するのが正しい」という思い込み
一般的なレシピ本では「炙った後に氷水に落として色止めする」と書かれていることが多いですが、本場の専門店では絶対に氷水に浸けません。水に浸けるとせっかくの藁の燻煙香が洗い流され、水っぽくなってしまうためです。プロは炙り立てをそのまま切るか、うちわや冷風で素早く粗熱を取る方法を採用しています。