SNSやネット掲示板では、台風襲来のたびに根拠の薄い言説が拡散されます。現場の検証から判明している代表的な誤解を是正します。
誤解①:「雨が止んで台風の目が通過したらもう安全」
これは最も海難・遭難事故を招きやすい危険な誤解です。台風の目に入ると一時的に風雨がやみ青空が覗くことすらありますが、通過後には「吹き返し」と呼ばれる猛烈な逆方向の暴風が急激に襲来します。さらに、上流部で降った雨が下流の東京へ到達するまでには数時間から半日のタイムラグがあり、都内が晴天であっても荒川や多摩川の水位が上昇し続けて氾濫に至るケースが少なくありません。
誤解②:「タワーマンションの高層階にいれば絶対に安全」
鉄筋コンクリート造の高層マンションは水没リスクこそ免れますが、地下に配電盤や非常用発電機が設置されている物件の場合、内水氾濫による地下浸水で停電・断水・エレベーター停止・トイレ使用不能といった「陸の孤島」状態に陥るリスクを孕んでいます。2019年の台風19号(東日本台風)で多摩川沿いのタワーマンションが直面した事態は、まさにこの構造的脆弱性が顕在化した例です。