張り詰めていた二人の距離が決定的に縮まり、揺るぎない絆へと変わったのは、2012年3月のさいたまスーパーアリーナ公演で発表された前田敦子さんの卒業宣言でした。
前田敦子さんの卒業理由は、長年抱いていた「本格的な女優への転身」という夢への挑戦と、若くしてグループのセンターを務め続けた精神的重圧からの脱却でした。卒業発表直後、過呼吸気味になりながらステージ裏に下がった前田さんを真っ先に駆け寄って抱きしめたのが、誰あろう大島優子さんでした。
ファンの間で語り継がれる「あつゆう伝説のエピソード」として有名なのが、2012年8月のAKB48初の東京ドーム公演です。前田さんのグループ最終公演となったこの舞台で、二人は『思い出のほとんど』を涙ながらにデュエットしました。歌詞の一節一節にこれまでの苦悩と感謝を重ね合わせ、抱き合う二人の姿は、ライバル関係が「最愛の戦友」へと昇華した瞬間でした。
大島さんは後に、「あっちゃんが卒業を決めたとき、初めて背負っていた重荷の大きさを本当に理解できた。守ってあげたいと思ったし、残された自分がグループを支えなければと覚悟が決まった」と証言しています。