講堂の奥に広がる智積院の名勝庭園は、「利休好み」の庭として名高く、国の名勝にも指定されています。中国の廬山(ろざん)を模して造られたとされる築山と、前面に広がる細長い池が織りなす空間構成は、東山の斜面を巧みに利用した立体的な美しさを誇ります。
名勝庭園の魅力は、計算し尽くされた四季折々の表情にあります。
- 5月下旬〜6月下旬:築山を覆い尽くすサツキツツジが満開を迎え、緑と鮮やかなピンクのコントラストが池の水面に映り込みます。また、境内では「青葉まつり(6月15日)」の時期に合わせてアジサイが咲き誇り、参拝者の目を楽しませます。
- 11月中旬〜12月上旬:紅葉の見頃時期には、庭園のモミジが深紅に染まり、静かな講堂の縁側に腰を下ろして眺める風景は京都随一の風情を醸し出します。
- 冬の雪景色:築山の岩肌と松に雪がうっすらと積もるモノトーンの景観は、水墨画の世界そのものです。
講堂の縁側に座り、池のせせらぎや鳥のさえずりに耳を傾けながら庭園を鑑賞する時間は、日常の喧騒で疲弊した思考をリセットする贅沢なひとときとなります。