歯が浮いて痛む際、多くの人がドラッグストアに走り、市販の鎮痛消炎剤(ロキソニンSやイブプロフェンなど)に頼ります。しかし、ここに深刻な落とし穴が潜んでいます。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、局所のプロスタグランジン生成を抑えるため、一時的に痛みを和らげ歯根膜の炎症を引かせる効果は期待できます。しかし、それは「痛みという警報装置を一時的にミュートした」だけに過ぎません。歯周病菌の巣窟や根尖部の細菌塊が消滅したわけではないため、薬効が切れるとより強烈な痛みとなってリバウンドする危険性があります。
また、やってしまいがちなNG処置として以下の3点が挙げられます。
- 指や舌で頻繁に歯を押して揺らす:気になって触ってしまう行為は、傷ついた歯根膜にさらなる外傷性打撲を与える行為そのものです。
- 氷や保冷剤で患部を直接急激に冷やす:過度な冷却は血流を極端に阻害し、組織の自然治癒力を奪います。冷やす場合は濡れタオル程度を頬の外側から当てるに留める必要があります。
- 患部を温める長風呂・飲酒・激しい運動:血流が一気に促されると、歯根膜内の内圧がさらに急上昇し、ズキズキとした拍動性の激痛を引き起こします。