「皮膚に鍼を刺す」と聞くと、注射針のような鋭利な痛みを想像する方が多いはずです。しかし、円皮鍼が痛くない理由は物理学と人体構造の観点から明確に証明されています。
医療用注射針の外径が約0.4〜0.7mmであるのに対し、円皮鍼の太さはわずか0.11〜0.20mm程度。人間の皮膚表面に密集する痛覚点の間隔(約0.5mm間隔)よりもはるかに細いため、痛覚受容体を直接直撃する確率が極めて低いのです。さらに、国内大手メーカーの製品はミクロン単位で先端が松葉状に加工されており、細胞を切り裂くのではなく押し広げるように進入するため、無痛に近い装着感を実現しています。
しかし、痛みが全くないからこそ生じる副作用と危険性の盲点には細心の注意を払わなければなりません。最大のトラブル要因は円皮鍼の貼りっぱなし期間の逸脱です。
通気性に優れた医療用粘着テープが使用されているとはいえ、メーカーや鍼灸師が推奨する連続貼付期間は最長でも2〜3日(長くても4日以内)です。「効果があるから」と1週間以上放置すると、皮膚の皮脂や汗、剥離した角質がテープ内部で雑菌の温床となり、接触性皮膚炎(かぶれ)や毛嚢炎などの化膿性トラブルを引き起こします。入浴時も貼ったままで問題ありませんが、体を洗う際にタオルで強く擦らないよう配慮し、剥がす際は皮膚を押さえながらゆっくり剥がす衛生管理が不可欠です。