調理プロセスの中で、ネット上でも意見が割れがちなのが「雑穀は洗うのか洗わないのか」そして「浸水時間はどの程度必要なのか」という2大疑問です。
雑穀米を洗う・洗わない問題の結論
結論から申し上げると、現在国内のスーパー等で市販されているパック入り・個包装のブレンド雑穀は「洗わずにそのまま投入する」のが基本です。
大手の穀物加工メーカー(はくばく等)の製造ラインでは、出荷前に風力選別、金属探知、光学選別機、加熱殺菌処理などを経て徹底的に異物やホコリが除去されています。むしろ、市販の雑穀を水でゴシゴシ洗ってしまうと、黒米や赤米の表面に豊富に含まれる水溶性ポリフェノール(アントシアニン)や水溶性ビタミンB群が水に溶け出して流出してしまいます。また、キビやアマランサスなどの極小粒の雑穀が排水と一緒に流れてしまう実害もあります。
ただし、生産者直売所で購入した未精選のものや、量り売りの無選別品である場合は、茶こしや目の細かいザルに入れ、ボウルの中で軽く1〜2回水を通す程度に留めてください。
雑穀米の浸水時間の真相と「早炊き」の落とし穴
雑穀米を炊く際、多くの人が陥る罠が「白米と雑穀を混ぜてからまとめて長時間浸水させる」あるいは「時間がないからと早炊きモードを押す」という行動です。
雑穀米を芯までふっくら炊き上げるための理想のルーティンは以下の手順です。
① まず白米だけを研ぎ、内釜の合数目盛りまで水を入れて「白米単体で30分〜1時間」浸水させる。
② 炊飯直前に雑穀を加え、雑穀分の水(重量の2倍)を注ぐ。
③ 全体を底からスプーンなどで軽くひと混ぜして、平らにならしてから通常炊飯する。
なぜこの順番が重要かというと、白米と雑穀を最初から混ぜて真夏などに長時間放置すると、雑穀の種皮から色素やタンニンが溶け出し、水が濁って吸水ムラを引き起こすことがあるためです。まず白米にしっかり水を吸わせた土台を作り、最後に雑穀と追加水分を合わせることで、粒立ちの良さとモチモチ感が両立します。
なお、雑穀米の炊飯器早炊き設定は基本的に避けるべきです。早炊きモードは「吸水行程」を大幅にカットし、いきなり急速沸騰させるプログラムになっています。外皮の硬い雑穀が吸水しきれず、高熱で外側だけが煮崩れて中はガリッとした芯が残る典型的なパサつき飯を生み出す原因になります。時短を優先する場合でも、最低20分の浸水を事前に行った上で炊飯を開始するのが鉄則です。