医療現場において「強皮症」という呼称が用いられる際、皮膚のみが局所的に硬くなる「限局性強皮症」と、内臓諸臓器に線維化が波及する「全身性強皮症(SSc)」が厳密に区別されます。両者は名前こそ酷似しているものの、病態の広がりや治療のアプローチが根本から異なります。
全身性強皮症はさらに、皮膚硬化の広がり方と合併症の出現パターンによって「びまん皮膚硬化型」と「限局皮膚硬化型」の2つに大別されます。皮膚硬化の経過は一般的に「浮腫期(むくみ)→硬化期(皮膚が厚く硬くなる)→萎縮期(皮膚が薄く柔らかくなる)」という過程を経ますが、びまん型では発症から数年の間に体幹(胸やお腹)にまで硬化が急速に進行し、内臓病変を伴いやすい一方、限局型では硬化が肘や膝から先にとどまり、進行も極めて緩徐です。
限局性強皮症(モルフィアなど)は小児から若年層に多く、皮膚の真皮から皮下組織にかけて境界明瞭な硬化巣を形成しますが、内臓病変やレイノー現象を伴うことは原則としてありません。これに対し、全身性強皮症は多臓器にわたる全身管理が必要となるため、正確な鑑別診断がその後の生命予後と生活の質を左右します。