小児医療の臨床において、便の色だけで緊急度をスクリーニングする際の原則は明快です。黄色、緑色、茶色系の便は基本的に「安全圏」に位置しますが、絶対に警戒しなければならないのが危険な赤ちゃんのうんち(白・赤・黒)です。
オムツの中身を確認する際、以下の3色が出現した場合は、緑色うんちとは次元の異なる緊急事態として行動する必要があります。
1. 白色・灰色・薄いクリーム色の便
胆汁が腸管内に全く分泌されていない兆候です。代表的な疾患が、指定難病である胆道閉鎖症です。胆道閉鎖症は新生児期から乳児期早期に発症し、放置すると肝硬変へ進行します。早期発見のために交付されているのが母子手帳の便色カラーカードです。1番から3番に該当する薄い色の便が続く場合は、直ちに専門医療機関を受診しなければなりません。生後60日以内の葛西手術(肝門部空腸吻合術)の成否が、その後の予後を大きく左右します。
2. 赤色・イチゴジャム状の血便
便全体が赤く染まっている、あるいは赤黒い粘液が混じったイチゴジャム状の便が出た場合、生後4ヶ月から2歳頃に好発する腸重積症が強く疑われます。腸の一部が隣接する腸管の中にはまり込む疾患で、腸の血流が途絶えて壊死に至る危険があります。激しく火がついたように泣いたかと思うと急に静かになり、ぐったりする間欠的な啼泣を繰り返すのが典型的なサインです。疑われる場合は夜間であっても救急外来を受診しなければなりません。
3. 黒色・タール状の真っ黒な便
生後2〜3日以内に出る「胎便(メコニウム)」は黒緑色で正常ですが、授乳が確立した生後数日以降に海苔の佃煮のような真っ黒な便(タール便)が出た場合は、食道や胃、十二指腸など上部消化管からの出血が疑われます。血液が胃酸と反応して黒色へ変化したものです。
これらの危険色に加え、赤ちゃん緑色のうんち病院受診の目安として必ず確認すべきなのが、赤ちゃんの腹痛や発熱の有無です。深緑色の便であっても、38度以上の発熱がある、噴水状に激しく吐く、お腹を触ると異常に嫌がって泣き叫ぶ、半日以上おしっこが出ていないといった脱水兆候がある場合は、ウイルス性胃腸炎や細菌性腸炎の可能性があるため、速やかに小児科へ足を運ぶ必要があります。