コアラ絶滅危惧種指定の真相|2050年絶滅説と生息数激減の現場

コアラ絶滅危惧種指定の真相|2050年絶滅説と生息数激減の現場

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東部ニューサウスウェールズ州ポートマッコーリーにあるコアラ専門病院や野生動物保護区の現場からは、数字の背後にある過酷な生息実態が生々しく伝えられています。

現地で救援活動に従事した野生動物獣医師は、当時の海外特別報道や手記の中で「運び込まれるコアラの多くが四肢に重度の火傷を負い、ユーカリを掴むことすらできない状態だった」と証言しています。木の上で丸くなって炎に耐えようとする習性ゆえに、地表をなめ尽くす火災だけでなく、上昇気流による超高熱の熱風を浴びて呼吸器に致命的な損傷を負う個体も少なくありませんでした。

さらに現場を悩ませているのが、目に見えない脅威である感染症です。野生復帰プログラムに関わる保護レンジャーの記録によれば、保護される個体の約半数以上からクラミジア感染症の陽性反応が検出される地域も珍しくありません。感染した個体は「ウェットボトム」と呼ばれる尿路障害によって下腹部が黒ずんで腐食し、激痛の中で衰弱していきます。

SNSやネット掲示板上では「抱っこできる動物というイメージしかなかったが、ここまで悲惨な状況だとは思わなかった」「山火事のニュース以降、どうなったのか気になっていたが、問題は終わっていなかった」といった驚きと悲嘆の声が数多く見られます。現場の医師団はクラミジアワクチンの野外接種試験を進めているものの、広大な森林に散らばる野生個体すべてをカバーするには莫大な資金と人手が必要であり、抜本的な解決には程遠いのが実情です。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。