「ペアリング自体は正常に完了しており、スマホ画面上でも楽曲が再生中になっているのに、スピーカーから全く音が出ない」というトラブルは、SNSや知恵袋等のコミュニティでも長年相談の上位を占め続けています。この不可解な現象を解剖すると、ハードウェアの故障ではなく、オーディオプロファイルの割り振りと出力ルーティングの仕様が関係していることが浮き彫りになります。
有効な車Bluetooth音楽流れない対処法を講じるためには、Bluetoothに備わる2つの独立した通信経路を理解する必要があります。車載Bluetoothには、通話音声を送受信する「HFP(ハンズフリープロファイル)」と、高品位な音楽データを伝送する「A2DP(アドバンスドオーディオ配信プロファイル)」という別個のプロファイルが走っています。システム側の認識ズレにより、「通話のみ接続」となり「メディアオーディオ」の通信が切断されているケースが極めて多く見受けられます。
Android端末の場合、Bluetooth設定内のペアリング済み車両の横にある歯車マークをタップし、「メディアの音声」トグルスイッチがオフになっていないか即座に確認してください。一方、iPhoneではコントロールセンターを引き下げ、メディアコントロール領域の右上にある「AirPlayアイコン(同心円と三角のマーク)」をタップし、音声の出力先が「iPhone」本体ではなく「車載機(Car Audio)」にチェックが入っているかを確かめる必要があります。
さらに見落としがちな物理的要因として「各機器の独立音量設定」が挙げられます。スマートフォン側のBluetooth出力音量が最小になっていると、いくらカーナビ側のダイヤルを回しても微小なホワイトノイズしか聞こえません。安全に停車した状態で、まずスマートフォンの側面上部にある音量ボタンを押し、メディア音量を80%〜90%程度まで引き上げたうえで、ナビ本体のボリュームを調整するのが基本ルールです。