では、なぜ「沖縄のジンベイザメが死んだ」という情報がこれほど強く拡散されたのでしょうか。その発端は、2021年6月17日に美ら海水族館が公表した「メスのジンベイザメの死亡」という公式リリースでした。
当時、黒潮の海大水槽では世界初となる「水槽内での繁殖」を目指し、ジンタとともにメスのジンベイザメ(個体識別番号:全長約8メートル、飼育期間13年2ヶ月)が優雅に混泳していました。しかし、2021年春頃からこのメス個体に異変が現れ始めます。徐々に食欲が減退し、飼育チームによる懸命の投薬治療や海上生簀への移動処置が行われたものの、摂食機能の回復には至らず、同年6月17日に息を引き取りました。
公式発表で明らかになった死因は、「腸の一部が捻転したことによる幽門部(胃の出口付近)の閉塞および栄養障害・衰弱」でした。骨格的な発達異常や内臓の変形が複合的に絡み合っていたと報告されています。この痛ましいニュースが各メディアで「美ら海水族館のジンベイザメ死ぬ」という見出しで大々的に速報されたため、詳細を読まなかった一部の読者が「あのジンタが死んでしまった」と早合点し、検索エンジンにそのキーワードが刻まれる原因となったのです。