伝統的なカトルカールの配合比率は「1:1:1:1」ですが、現代のプロフェッショナルな現場では、現代人の嗜好に合わせた水分保持設計へとアップデートされています。口に含んだ瞬間にほどける食感を実現するために不可欠なのがパウンドケーキしっとり配合黄金比の再設計です。
特におすすめしたいのが、アーモンドプードル入りしっとりパウンドケーキの配合アプローチです。薄力粉全体の約15〜20%をアーモンドプードル(皮なしアーモンド粉末)に置き換えることで、小麦粉由来のグルテン形成を適度に抑制しつつ、アーモンドに含まれる上質な植物性油脂(オレイン酸など)が生地の保水性を劇的に底上げします。翌日になってもでんぷんの老化(パサつき・硬化)が起こりにくく、重厚でありながら驚くほどしっとりとした質感を持続させることが可能です。
また、ベーキングパウダー(膨張剤)の扱いにもプロ独自の思想があります。市販のレシピでは膨らみを助けるために小さじ1杯程度のBPを加えるのが一般的ですが、過度に入れると気泡が大きくなりすぎて水分が逃げやすくなります。一方で、ベーキングパウダーなしパウンドケーキしっとり仕立ては、伝統的な別立て(卵白をメレンゲにして合わせる手法)や入念なバターの空気抱き込みによって微細な気泡を作り出します。これにより、気泡膜が非常に細かく密度の高い、ベルベットのようななめらかな舌触りが完成します。