正しく冷凍されたパンも、最後の解凍とリベイク(温め直し)で手順を誤れば台無しになります。冷凍庫から出したパンをどう焼き上げるべきか、プロが実践する「水分コントロール」の極意を解説します。
冷凍パンをトーストするアプローチは、主に「冷凍パンの自然解凍×トースト焼き方」と「凍ったまま直焼き」の2パターンに分かれます。
バゲットや厚切り食パンなど、中心部までしっかり熱を届けたい場合は、トーストする前に室温で10〜20分ほど置いて自然解凍させます。このとき、cotta等のプロコラムでも推奨されているように、清潔な布巾やキッチンペーパーで包んでおくと、パンの表面が乾燥するのを防ぎつつ、内部の水分バランスが整います。
自然解凍の時間を惜しむ場合や、通常の薄切り食パンであれば、凍ったままトースターへ直行させても問題ありません。ただし、その際は「失われた水分を補う一手間」が不可欠です。パンの表面に霧吹きでシュッと1〜2回水を吹きかけるか、あるいはトースター庫内にスプーン1杯の水を垂らしてスチーム効果を生み出します。近年人気のスチームトースター(バルミューダ等)と同じ原理を人工的に作り出すわけです。
焼き方の鉄則は「予熱した高温環境で、短時間で一気に焼き上げる」こと。1000W〜1200W(200℃〜220℃前後)の高火力トースターで2分半〜3分半ほど焼くことで、内部の水分を閉じ込めたまま外側のクラストだけをカリッと香ばしく仕上げることができます。低温でダラダラと焼いてしまうと、貴重な水分が蒸発し尽くしてラスクのようにパサついてしまうため厳禁です。