社外向けのメディアとしてだけでなく、組織内の生産性改革として社内ポータルサイトの役割と導入効果にも強い関心が集まっています。テレワークやハイブリッドワークが標準化した現場において、社内ポータルの存在は単なる掲示板を超えた「バーチャルオフィス」の役割を担っています。
しかし、ITmediaや経済メディアの取材現場、社内システム刷新を手がけた情シス担当者の手記からは、深刻な「導入後の形骸化」という現実が浮き彫りになっています。
都内の中堅IT企業で情シス統括を務める男性(40代)は、社内ポータル導入時の苦悩を次のように証言しています。
「導入当初、約300万円を投じて立派なシステムを構築しました。しかし半年後のアクティブ率は全社員のわずか12%。社内SNSや知恵袋で社員の本音を調べたところ、『どこに何の規程があるか検索してもヒットしない』『申請フォームのURLが深すぎて結局チャットで同僚に聞いたほうが早い』という不満で溢れかえっていました。情報を詰め込むことだけを優先し、ユーザーである社員の導線をまったく設計していなかったのです」
成功する社内ポータルと失敗するポータルの分水嶺は、組織内の「心理的境界線(バウンダリー)の解消」と「シングルサインオンによる導線の一本化」にあります。全社員が朝最初に出社打刻やスケジュール確認のために開く画面に社内報や業務マニュアルを集約し、目的のドキュメントへ3クリック以内で到達できる情報設計を徹底した企業では、社内問い合わせの工数が前年比で約40%削減されたというデータも報告されています。