浦上の正体は、特殊な超能力者でもパラサイトの変種でもなく、快楽のために人間を殺害し解体していた指名手配中の凶悪連続殺人犯です。作中において彼は、人間の中に紛れ込んだ寄生生物を一目で見抜くという驚くべき判別能力を披露しました。
読者の間で長年議論されてきた「なぜ浦上には寄生生物がわかるのか」という疑問の答えは、彼の持つ歪んだ殺人衝動と同族嫌悪の嗅覚にあります。浦上にとって人間を殺害することは日常であり本能でした。そのため、人間を単なる「エサ(獲物)」として冷徹に見つめる寄生生物の視線や気配を、自分と同じ「同種の捕食者」として直感的に察知できたのです。
寄生生物同士はお互いが発する微弱な脳波(シグナル)を感じ取って仲間を識別しますが、浦上は生物学的なセンサーではなく、「人を殺す者だけが放つ特有の殺気と目つき」を本能的に見抜いていました。常人には理解しがたい異常心理の極致が生み出した、極めて人間的かつ恐ろしい識別眼といえます。