曙のキャリア転換を巡っては、インターネット上で長年「多額の借金返済のためにK-1へ行った」「相撲界を裏切ったのではないか」といった真偽不明の噂が囁かれてきました。しかし、報道関係者や元側近たちの証言を総合すると、単なる金銭問題だけでは語れない複雑な背景が浮かび上がります。
相撲協会退職の背景には、年寄名跡の取得問題や、自身が目指す相撲部屋創設を巡る制度的な壁がありました。当時、日本国籍を取得していたとはいえ、外国出身親方としての独立や部屋継承には様々な制約が存在したことは事実です。さらに、巨額のファイトマネーが提示されたことも契機の一つではありますが、当時の特番インタビューや関係者の手記によれば、根底にあったのは「一人の表現者・ファイターとして新しい世界へ挑みたい」という純粋な挑戦心でした。
K-1でKO負けを喫した際も、曙は言い訳を一切口にせず、頭を下げて次の戦いへと向かいました。ネット上の心ない批判を浴びながらも逃げ出すことなく、プロレスの泥臭いリングで汗を流し続けた姿勢こそが、彼が金銭のためだけでなくプロフェッショナルとしての誇りを持って生きていた決定的な証拠と言えます。