少数民族の文化継承と「普遍的人権」の保護を巡る対立は、国際社会において極めて繊細な議論を巻き起こし続けています。部外者が「野蛮な風習」と断じて介入することは文化の破壊につながるのではないかという批判がある一方で、当事者の健康や生命を著しく脅かす行為を「伝統」の名のもとに容認してよいのかという強い倫理的問いが存在します。
近年では、外部からの頭ごなしの禁止命令ではなく、現地コミュニティ内部からの自発的な改革が成果を上げつつあります。教育を受けた部族出身の若い女性たちがリーダーとなり、身体を傷つけない代替儀礼(象徴的な儀式のみを行う手法)を提唱する動きが各地で広がっています。
伝統を完全に捨てるのではなく、誇るべき意匠や歌、精神性を受け継ぎながら、身体への暴力的な側面だけを時代に合わせてアップデートする――。少女たち自身が選択肢を持ち、自らの生き方を決めるエンパワーメントが今まさに進んでいます。