日本のリスナーが洋楽の歌詞を読み解く際、どうしても「直訳」の壁にぶつかることがある。英語特有の押韻(ライム)や、ビートルズから受け継いだサイケデリックな比喩表現は、そのまま日本語に置き換えると散文的になりがちだ。
たとえば「Celebrate today(今日を祝おう)」というフレーズ。単なるお祝いの言葉ではなく、「生きて今日という日を迎えられた奇跡に対する感謝」という、どこか宗教的とも言える歓喜のニュアンスが含まれている。言葉の背景にある「イギリス人特有の天候に対する愛憎」や「スイスの雨上がりの景色」を重ね合わせて初めて、歌詞の本当の色彩が立ち現れてくる。