スマートフォンの通知に追われ、常に誰かと繋がっていることが求められる現代生活。私たちは知らず知らずのうちに、脳も心も過熱状態に陥っている。そんな中、小川糸のブログを訪れる時間は、多くの読者にとって最高の「デジタルデトックス」となっているのだ。
青い光にさらされた眼で彼女の文章を追うとき、ふと自分の呼吸が深くなっていることに気づく。刺激的なヘッドラインや誇張された感情の吐露はなく、ただそこには「今日も陽が昇り、ご飯を美味しく食べ、夜が明けていく」という当たり前で圧倒的な事実だけがある。この無害で静謐なコンテンツに触れること自体が、疲弊した現代人の精神を調律するセラピーとして機能している。