SNSやネット掲示板(5chや知恵袋など)において、しばしば「あのネタは設定勝負で人間味がない」「審査員の好みに偏りがあるのではないか」といった議論が巻き起こります。しかし、現場の審査員講評や演者たちの自著・手記を丁寧に紐解くと、ネット上の言説とは大きく異なるプロの評価軸が見えてきます。
多くの視聴者が「突飛な設定」に目を奪われがちなのに対し、プロの審査員が一貫して重視しているのは「感情のリアリティと演技の説得力」です。どんなに荒唐無稽なシチュエーションであっても、登場人物の動機やリアクションに人間の本質的な感情(哀愁、狂気、恥じらい)が宿っているかどうかが、90点台後半のスコアを叩き出す絶対条件となっています。
また、「テレビサイズ(4〜5分)のネタと単独ライブのネタの乖離」も大きな盲点です。賞レース用のコントは、起承転結を極限まで圧縮した高密度な構造を持っています。この凝縮された脚本術を体得したファイナリストたちが、後にドラマ脚本や映画界から熱烈なオファーを受けるのは、エンタメ構造上きわめて自然な必然といえます。