本作の魅力を語る上で絶対に外せない存在が、しんのすけたちと共に旅をする剣士・吹雪丸(ふぶきまる)です。凛々しい顔立ちと卓越した剣技で野原一家を幾度も救う吹雪丸ですが、その出生には胸を締め付けられる真実が隠されていました。
春日一族の世継ぎとして生まれた吹雪丸ですが、実は「女性」です。当時の掟により「世継ぎは男子でなければならない」という重圧から、実の母親によって男として育てられました。劇中で温泉に入るシーンをしんのすけに目撃され、その正体が明らかになる場面はファンの間でも語り草となっています。
さらに切ないのが、吹雪丸の妹として登場する「雪乃」の存在です。雪乃は逆に「女」として育てられた実の弟であり、戦国の過酷な家督争いに翻弄された姉弟の哀愁が物語に圧倒的な深みを与えています。30世紀のタイムパトロール隊員であるリング・スノーストームが吹雪丸の母の面影を重ねる描写など、血の繋がりを超えた感情の交差が視聴者の涙を誘います。