2006年に戦後最年少の52歳で内閣総理大臣に就任した第1次安倍政権は、わずか1年後の2007年9月に突如として幕を閉じました。直前に行われた所信表明演説から間もないタイミングでの退陣表明は、当時メディアや国民から「職務放棄」「政権投げ出し」と激しいバッシングを受けました。
しかし、その裏にあった第1次政権の退陣理由は、まさに生命の危機に瀕した肉体の限界でした。激しい政治的ストレスと過密日程により潰瘍性大腸炎が急激に悪化し、体重は激減。点滴を受けながら執務をこなす限界状況に達していたのです。退陣表明の直後には慶應義塾大学病院へ緊急入院し、医師団からも極度の衰弱と機能停止状態であることが報告されました。
当時は病気の詳細や苦痛の凄まじさが十分に世間に認知されておらず、単なる「腹痛による辞任」といった誤った認識が広まったことも、安倍氏にとって精神的な大きな打撃となりました。