バンドのフロントマンである清水依与吏は、過去の音楽雑誌のロングインタビューやラジオ番組において、自身の創作動機について「かっこいい自分ではなく、情けなくて惨めな感情から目を背けずに曲にすること」を一貫して語っています。高校時代の失恋をきっかけにバンドを結成したという原点を持つ清水にとって、報われない恋愛感情の解像度を極限まで高めることは、表現者としてのアイデンティティそのものでした。
「幸せ」は、2011年5月リリースの2ndシングル『花束』のカップリング曲として産声を上げました。キャッチーで幸福感に満ちた表題曲『花束』の裏側に、救いのない悲痛な片思いを描いた本作を配置した構成は、当時から音楽関係者の間で高く評価されていました。
その後、2014年3月にリリースされオリコン週間ランキングで上位を記録した3rdフルアルバム『ラブストーリー』、さらには2016年のベストアルバム『アンコール』にも選出。カップリングという枠を超え、代表曲「高嶺の花子さん」や「繋いだ手から」と並ぶ、バンドの屋台骨を支える名曲として不動の地位を確立していきました。