なぜ「十分」が標準とみなされるのか。その根拠は文化庁が提示する指針に見ることができる。国の表記基準の基盤となる常用漢字表において、「充」という漢字には「じゅう」という音読みが掲載されていない。つまり、音読みとして「じゅう」と読む運用は常用漢字表の標準的な範囲外という扱いになるのだ。
文化庁の見解に基づけば、標準的な日本語の表記としては「十分」が一貫して推奨される。「10分(10 minutes)」という時間の表記と見間違える懸念を抱く人もいるが、文脈から判断できるため公的表記では「十分」で統一する方針が貫かれている。国の標準が「十分」である以上、メディアや公的機関がそれに倣うのは自然な流れと言える。