同じ年に公開され、邦画界に全く異なる方向から激震を与えたのが『リング (1998年の映画)』である。呪いのビデオテープを見た者が1週間後に死を遂げるという、シンプルかつ逃げ場のない恐怖を描いた本作は、それまでの怪談映画の枠組みを根底から打ち破った。
本作が確立したサイコホラーの手法は、過度な血しぶきやショッカー演出に頼らず、日常生活の影に潜むじわじわとした心理的威圧感を極限まで高めた点にある。テレビ画面から貞子が這い出るクライマックスシーンは観客のトラウマとなり、後にハリウッドリメイクへと繋がる世界的なJホラーブームの源流となった。