卑弥呼の墓を語る上で避けて通れないのが、魏の皇帝から賜ったとされる「銅鏡百枚」の行方だ。各地の古墳から出土する三角縁神獣鏡をめぐっては、国産説と中国製説が激しく激突してきたが、近年の大型蛍光X線分析や同位体比分析が新たな知見をもたらしている。
メディアの関心も沸騰している。NHKスペシャルなどの大型歴史番組で特集が組まれるたび、最新の3Dデジタル復元画像や三次元計測の解析結果がお茶の間に衝撃を与えてきた。かつてロマンとして語られた「邪馬台国論争」は、いまや最先端の科学機器と緻密な文献史学が火花を散らす、現代最前線のエキサイティングな総合科学へと進化を遂げたのだ。