『養生訓』には、現代人の胸に深く刺さる名言が数多く散りばめられています。ここでは特に有名なフレーズの原文とわかりやすい解説を紹介します。
【名言1】
原文:「身はこれ我が私すべきものにあらず。天地のめぐみ、父母の遺体なれば、つつしみて養ひ、そこなふべからず」
意味:自分の体は自分だけのものではない。天と地の恵みを受け、両親から授かった大切な預かりものである。だからこそ慎み深く養生し、決して傷つけてはならない。
【名言2】
原文:「道を行ひて善を楽しむべし。身の息災なるを楽しむべし。古人の書を読みて、心を養ふを楽しむべし」
意味:正しい行いをして善を喜び、体が無事息災であることを喜び、昔の良書を読んで心を養うことを楽しむべきである。これ以上の幸せはない。
【名言3】
原文:「養生の術は、まづ心気を養ふべし。心平らかにして、気和らぐときは、病生ずることなし」
意味:健康法を実践するなら、まずメンタルを整えなさい。心が穏やかで気が和らいでいれば、病気が入り込む余地はない。
これらの言葉に共通するのは、「健康は目的ではなく、人生をより良く味わい尽くすための手段である」という人生観です。自制を強いられる苦しい修行ではなく、日々の心地よさを積み重ねる哲学がここにあります。