肉と寿司の融合というアイデア自体は決して真新しいものではない。しかし、それがサブカルチャーからメインストリームへと一気に駆け上がった背景には、緻密なメディア史が存在する。
かつて『孤独のグルメ』をはじめとする食ドラマが捉えた「路地裏のディープな食体験」は、やがて恵比寿横丁の熱気へと結実し、若者を中心に爆発的なブームを引き起こした。さらに Instagram での視覚的拡散が拍車をかけ、食べログの評価ランキングにも肉をテーマにした専門店が上位に顔を出すようになる。
だが、一過性のブームで終わらなかったのは、日本の料理人たちがこのジャンルに本気の和食技法を注ぎ込んだからだ。大衆的な横丁文化から始まった物語は、いまや世界の美食家たちを惹きつけるグローバルな食体験へと進化を遂げている。