成人式のメイクで最も多いトラブルが、「ファンデーションが白浮きして厚塗り」「眉毛が太く濃すぎる」「アイシャドウやチークの発色が鮮やかすぎて昭和感が出る」という現象です。これには現場ならではの構造的な背景があります。
第一に、ホテルの着付け会場や提携美容院で担当するスタイリストが、必ずしも普段のトレンドメイクに精通した若手美容師とは限らない点です。ブライダルや伝統的な和装を長く担当してきたベテラン技術者の場合、「豪華な振袖に負けないよう、顔立ちをくっきり際立たせる」「強いストロボ光でも色が飛ばないようにする」という昔ながらの基準でしっかり塗り込む傾向があります。
第二に、「おまかせでお願いします」という一言が引き起こすミスマッチです。担当者は良かれと思って格式高い和装の正統派メイクを施しますが、本人が思い描いているのは「透明感のある抜け感メイク」や「パーソナルカラーに合わせた韓国風ニュアンスメイク」。この美意識のすれ違いが、鏡を見た瞬間の絶望を生み出す最大の要因となっています。