エレン先生が登場する以前、教科書の挿絵といえば、素朴で落ち着いたタッチのイラストが主流であった。ところが2016年度版『NEW HORIZON』のページを開くと、そこには金髪ショートボブに愛らしい大きな瞳、表情豊かに身振りを交えるアニメ調の美少女キャラクターが描かれていたのである。
火付け役となったのは、新学期が始まった2016年4月上旬のTwitter(現X)への投稿だった。「今の英語教科書が可愛すぎる」「自分の時代と全然違う」という驚きの声とともに画像が瞬く間に拡散。特に、ボストン・レッドソックスのファンである彼女がバットを振るポーズ(「This is a baseball bat.」)のシーンは、無数のパロディ画像やコラージュを生み出すネットミームへと発展した。
かつて英語学習に挫折した大人世代からは「エレン先生が担任ならもっと英語を勉強したかった」という羨望の声が相次ぎ、現役中学生だけでなく幅広い年齢層を巻き込む異例のブームへと昇華していった。