親が付けた名前に苦しみ抜いた当事者には、自らの手で人生を取り戻す法的手段が残されています。戸籍法第107条の2に基づき、家庭裁判所へ「名の変更許可申立て」を行う手続きです。
法律上、名を変更するためには「正当な事由」が求められます。単に「気に入らない」という主観的な理由では許可されませんが、以下のような実害が客観的に証明できる場合、家事審判において変更が認められる可能性が極めて高くなります。
- 奇矯(ききょう)な名であって、社会生活上著しい羞恥心や精神的苦痛を感じている場合
- 難解・難読であり、初見で読まれることが皆無で、業務や日常生活に重大な支障をきたしている場合
- 長期間にわたり通称名(別の読みやすい名前)を使用し、周囲にその名前が定着している実績がある場合
重要なポイントは、15歳以上の未成年者であれば親の同意なしに単独で申し立てができる点です。実際に高校進学や大学受験、就職活動を控えたタイミングで、自らの意思で改名に踏み切る若者が増えています。費用も収入印紙代(800円)と連絡用の郵便切手代程度であり、手続き自体の金銭的負担は決して高くありません。