「左利きは天才」は嘘?脳科学の最新データとIq比較で見えた真実

「左利きは天才」は嘘?脳科学の最新データとIq比較で見えた真実

「左利きは天才」は嘘?脳科学の最新データとIq比較で見えた真実とはどのようなものなのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

「レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ニュートン、ナポレオン、ジミ・ヘンドリックス、ビル・ゲイツ、バラク・オバマ……。彼らは全員左利きだ」という主張を耳にしたことがある人は多いはずです。この華々しいリストを見せられると、まるで天才の系譜に左利きが不可欠であるかのような錯覚を覚えます。

しかし、メディア論と認知心理学の観点から検証すると、ここには典型的な「確証バイアス」と「生存者バイアス」が介在しています。

第一に、歴史上の偉人が10人紹介されたとして、そのうち1人が左利きだった場合、それは人口比率(約10%)通りの極めて正常な確率です。ところが人間は、「多数派の中に混じった希少な属性」に強い意味を見出す心理傾向を持っています。右利きの偉人9人が右利きであることは誰も特筆しないのに対し、左利きの1人だけが「彼は左利きだった」と特筆大書され、人々の記憶に強烈に焼き付けられるのです。

第二に、歴史上の偉人の「利き手」に関する誤認や捏造の多さです。例えばアルベルト・アインシュタインはよく「左利きの代表格」としてネット上で紹介されますが、アインシュタインの検死記録や自筆原稿、バイオリンを弾く写真などの公式資料を精査すると、彼が右利きであったことは歴史的事実として確定しています。同様に、ピカソやベートーヴェンなど、右利きでありながら「天才だから左利きだったはずだ」という後世の願望によって左利き認定されてしまった偉人は少なくありません。

では、なぜ本物の左利きたちから革新的なアイデアや非凡な着眼点が生まれることがあるのでしょうか。それは脳の構造以上に、「少数派として育った後天的な環境適応」が関係しています。右利き向けに作られた不条理な社会インフラの中で、左利きは幼少期から「どうすればこの道具を使えるか」「身体をどうひねれば文字を汚さずに書けるか」といった独自の試行錯誤を24時間強いられます。この絶え間ない工夫の習慣化が、既存の枠組みにとらわれない「拡散的思考(divergent thinking)」を育む土壌となっているのです。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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