無敵を誇っていた無惨が生涯で唯一、本物の死の恐怖を味わった相手が、戦国時代の始まりの呼吸の剣士・継国縁壱(つぎくに・よりいち)でした。
日の呼吸の完成者である縁壱と対峙した際、無惨は一瞬にして1500ピース以上に身体を切り刻まれ、再生すら追いつかない神速の剣技に圧倒されました。辛うじて1800個近くに肉体を細かく分裂させて脱出したものの、縁壱が刻んだ赫刀の傷跡は数百年にわたって無惨の細胞を灼き続けました。
この一件以来、無惨の行動原理には「極度の保身とトラウマ」が深く刷り込まれます。縁壱の死後、日の呼吸を継承する剣士を徹底的に抹殺し、炭治郎が身につけていた「花札風の耳飾り」を見ただけで過剰な警戒心を露わにした背景には、この時の恐怖が骨の髄まで染み付いていたという決定的な理由が存在します。