エーゲ海観光の代名詞であるサントリーニ島(ギリシャ共和国)やミコノス島を訪れる旅行者の目に飛び込んでくるのは、青いドーム屋根の教会と夕日に染まるカルデラ湾の絶景です。現地に立つと、国境摩擦の重苦しい空気は完全に遮断されているように見えます。
しかし、一歩現地インフラの内側に目を向けると、観光地としての表層とは異なる実態が存在します。ギリシャ国家統計局および観光省のデータによると、サントリーニ島への年間来訪者数は年間300万人規模に達しており、住民一人あたりに対する観光客比率は限界水準を超過。2026年から2026年にかけて、大型クルーズ船の寄港制限や1人あたり20ユーロ前後の入島特別課税が導入されるなど、オーバーツーリズム対策が本格化しています。
また、島南東部の丘陵地帯や近隣の小島には、ギリシャ沿岸警備隊の高性能監視レーダーや海軍哨戒艇の補給拠点が静かに佇んでいます。現地ホテル支配人はインタビュー取材に対し、次のように漏らしています。
「お客様は青と白のポストカードの世界を楽しみに来ます。私たちも最高のホスピタリティを提供します。ただ、トルコ本土を望む東側の島々の住民にとって、空を飛ぶ戦闘機の轟音や海上の哨戒艇は『国家を守り続けるための日常』です。この海において平和は自動的に与えられるものではなく、コストを払って維持するものなのです」