華々しい実績を持つ日高のり子ですが、そのキャリアは決して順風満帆なスタートではありませんでした。日高のり子のアイドル時代は1980年、シングル『初恋サンシャイン』での歌手デビューに始まります。
当時は松田聖子や河合奈保子といった強力な同期がひしめくアイドル黄金期。思うようにヒットに恵まれず、テレビのバラエティ番組でアシスタントを務めたり、ラジオのパーソナリティとしてトーク力を磨いたりする日々が続きました。
自著や当時の回想インタビューによると、20代前半で将来に強い危機感を抱いていた日高に転機をもたらしたのは、ラジオ番組でのトークを耳にしたアニメ制作関係者からの「声優をやってみないか」という打診でした。1984年の『超時空騎団サザンクロス』で声優デビューを果たした際、マイクの前で芝居をする奥深さに目覚め、アイドルとしての未練をきっぱり断ち切って声の道へ邁進する覚悟を決めたと語られています。
日高のり子の若い頃に培われた「ラジオでの瞬発力」「挫折を知る人間の粘り強さ」こそが、声優としての類まれな対応力の源泉となっています。